結論:科学的鑑定は「客観的な手がかり」を与えるが、それだけで真贋は断定できない
科学的鑑定は、材料の成分や年代といった客観的なデータを示してくれます。ただし「時代に合わない材料が使われていない=本物」と単純には言えません。実務では、科学分析の結果と、専門家の目利き・来歴などの要素を組み合わせて総合的に判断します。
代表的な科学的鑑定の手法
蛍光X線分析(XRF)
対象にX線を当て、含まれる元素の種類・割合を非破壊で調べる方法。陶磁器の釉薬や金属工芸品の成分から、時代に合わない材料(例:近代に普及した元素)が使われていないかを確認できます。
わかることの限界:成分はわかりますが、それだけで制作年代や作者を断定はできません。
放射性炭素年代測定(C14法)
生物由来の材料(木・紙・布・漆など)に含まれる炭素14の減り方から、その材料が作られたおおよその年代を推定する方法。掛軸の紙や仏像の木材などに使われます。
わかることの限界:材料の年代であって、作品として仕立てられた年代とは限りません。微量の試料採取が必要な場合があります。
熱ルミネッセンス法(TL法)
陶器・土器などが最後に高温で焼かれてからの経過時間を、蓄積された放射線エネルギーの発光量から推定する方法。焼き物の焼成年代の手がかりになります。
わかることの限界:微量の試料採取を伴うことが多く、測定条件による誤差もあります。
赤外線・紫外線・X線透過調査
肉眼では見えない下絵・補筆・修復跡・隠れた損傷を、赤外線や紫外線、X線透過で可視化する方法。絵画・掛軸で後世の描き足しや修理を確認できます。
わかることの限界:描き足し等の有無はわかりますが、真贋の最終判断そのものではありません。
まずは無料査定から
科学的鑑定は費用・時間がかかり、試料採取を伴う手法もあります。多くの場合、まずは買取業者の無料査定や鑑定機関でプロの見立てを得て、必要に応じて科学分析を検討するのが現実的です。
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